2004-05-12 第159回国会 参議院 憲法調査会 第7号
ちなみに、一九四〇年、ナチの侵攻によりまして第三共和制が崩壊して、ナチのかいらいとも言われるビシー政権が成立いたしまして、その下で一九四〇年憲法が作られました。フランスは、戦後になりまして、この一九四〇年憲法は無効であったという宣言をいたしまして、こうした経験を踏まえて、一九四六年の第四共和制の憲法では、占領下における改憲禁止の規定を置いたわけであります。
ちなみに、一九四〇年、ナチの侵攻によりまして第三共和制が崩壊して、ナチのかいらいとも言われるビシー政権が成立いたしまして、その下で一九四〇年憲法が作られました。フランスは、戦後になりまして、この一九四〇年憲法は無効であったという宣言をいたしまして、こうした経験を踏まえて、一九四六年の第四共和制の憲法では、占領下における改憲禁止の規定を置いたわけであります。
いわゆるビシー政権が倒れて、戦後できた新しい憲法ですけれども、そこに述べていることは何なのか。正にここでも第四行目に、前文、フランス人権宣言が引かれている。そして、現在のフランス憲法における人権条項とは、この八九年人権宣言にプラスするところのこの第四共和国憲法前文を意味していること。前文の後半部分には何が書かれているかといいますと、先ほど来出ていた社会権条項ですね。
あるいはまた、日本はビシー政権時代のインドシナを主体としまして条約を結んだのでありますけれども、ロンドンの亡命フランス政府はそうした条約の効力は認めておりませんし、日本の降服は、これまたロンドン亡命政府の流れをくむフランス政府に対してでありますからして、日本の降服、すなわちフランスの正統政府はロンドン亡命政府の流れをくむ政府ということで、いままでの条約の効力は自動的に消滅したのであります。
このドゴール政権が、その後ビシー政権の滅亡とともにフランス本国に帰り、今日のフランス政府を形成しており、平和条約に署名したのもこの政府であります。ところで、現在のフランス政府をフランスの正統政府として日本が承認した以上、一九四一年十二月八日の宣戦布告の効果は、法律的にはさかのぼって認めなければならないとする有力な意見があります。
で、この点につきましては、私は、比較憲法学の上から、国際法学としても非常に私の学問的の研究にはいろいろ有益な、またわからない問題もございますので、一つ例をとって申し上げますと、このビシー政権のフランス憲法上においての行為、あるいは国家行動が、法的にフランスの憲法の上でどのように取り扱われたかということについてであります。
が日本との間に戦争状態のあることを、開戦宣言といいますか、戦争状態にあることを宣言した一九四一年の十二月八日を、それからその一九四〇年七月十六日以後のものを、憲法上の諸行動というものを、無効とするという建前をとっておりまして、ペタン政権のそういう条約的な行動は、効力がないという憲法たる法規命令で、形はオルドナンスでありますけれども、明文で、その第三条で認めておりますから、もし日本がそのフランスのビシー政権
それとも関連しまして、明らかにフランス共和国としては、それを無効であるという文字を使っておりますが、法の上からはどうもそうなるのでなかろうか、全く無効で何らの効力がないという規定も文字もございますので、そういうビシー政権のとった四〇年六月十六日以後の行為は、それはみなだめだという一般的な言い方をいたしておりますので、フランス国の憲法上の問題としては、そうなってくるのではなかろうか。
○吉田法晴君 あるいは満州の溥儀政権あるいはヒットラー・ドイツと、それからビシー政権との間、こういうものを考えて、侵略主義者と、あるいは戦争責任者と、かいらい政権との間に賠償交渉が行なわれ、そしてそこで調印がなされたというのが、はたして有効なとにかく賠償になるでしょうか。法的にも問題がございましょう。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 先ほど条約局長の御答弁申し上げましたように、フランスの正統政府としてのビシー政権が存在をしているわけであります。従って、むろん自由解放委員会、その他の委員会をフランスの正統政府と見るわけには、その時期においては適当でない。
すなわち、政府としては、ビシー政権が倒れ、ドゴール政権がこれにかわったとき、つまり一九四四年(昭和十九年)八月二十五日からと見ることが、国際法上の立場としては最も妥当であると考えている次第であります。ドゴール政権による一九四一年(昭和十六年)十二月八日の対日宣戦布告というものは、国際法上一国の政府たる要件を有しないものによるものでありますから、有効なものと認めることはできません。
もしドゴールがビシー政権を認めないというならば、ビシー政権とわれわれが結んだその国際的な関係というものをそこで中断するんじゃないですか、どうお考えになりますか。